営業が向いていない私が、水道業界を選んだ転職理由

40代の立て直し|1話

営業が向いていない私が、水道業界を選んだ転職理由

0話で「戦い方を変える」と決めた私が、実際にどう土俵を変えたのか。転職の裏側と、転職先を選んだ基準を書きます。

逃げではなく選び直し まず収入を安定させる 選んだ基準を公開
営業が向いていない40代男性が、生活を守るために水道業界への転職を考える様子
営業が向いていなくても、立ち続けられる戦場は選び直せる。

「営業が向いていない。でも、簡単には辞められない」。
あの頃の私は、その二つのあいだで立ち止まっていました。

営業が向いていないのは、甘えなのか。
辞めたら、同年代から取り残されるんじゃないか。
その気持ちのままで大丈夫です。甘えかどうかの整理は、0話(営業が向いていない人の、生き残り戦略)に置いてあります。

この1話で書くのは、考え方ではなく実話です。
なぜ私は転職に踏み切れなかったのか。何が起きて、選べる道がなくなったのか。そして営業が向いていない私が、なぜ最後に水道業界という戦場を選び直したのか。順番にたどっていきます。

この記事では、私の転職理由の裏側と、転職先を選んだ基準を整理します。立派な理由がなくても、人生は動かせます。
この記事の結論

営業が向いていない人の転職理由は、「逃げ」ではなく「戦場の選び直し」でいい

転職理由は、理想や夢である必要はありません。大事なのは、生活と収入を守りながら、自分が立ち続けられる戦場を選び直すこと。私の場合、それが「水道業界」でした。

転職理由は、理想や夢じゃなくていい。

まず収入を安定させ、生活の足場を守る。

営業力で勝てなくても、評価される土俵は選び直せる。

営業が向いていないと気づいても、すぐには辞められなかった

営業が向いていないと感じても、私はすぐに辞める選択を取れませんでした。

営業の仕事が嫌いだったわけではありません。
人と話すことも、困りごとを解決することも、嫌いじゃない。
ただ、決定的に合わなかった。

口が回るわけでもない。
勢いのあるクロージングもできない。
「今決めてもらえませんか」と言うたびに、胸の奥が少しずつ重くなっていく。

リクルド(旅する書庫番)

営業が嫌いじゃないのに、
どうしても勝ち筋が見えなかった。

それでも「辞めればいい」とは思えませんでした。
生活がある。家族がいる。転職して楽になる保証なんて、どこにもない。
何より、「逃げた」と思われたくなかった。自分自身に対しても。

「営業が向いていない=甘えなのか」で立ち止まっている人へは、0話に整理を置いています。
ここから先は、その私が実際に何を経験して土俵を変えたのかという話です。

父の病気と倒産で、選択肢がなくなった現実

私が転職に踏み切ったのは、前向きな決断というより、選択肢がなくなった結果でした。

父の病気。そして、会社の倒産。
私は父の会社の一角を借りて、整体院をやっていました。
だから会社が倒れた時点で、整体院も畳むしかありませんでした。

父は自己破産。
さらに、一部で保証人になっていたものがあり、
結果として約250万円の借金を背負うことになります。

倒産や借金で生活が崩れたあと、家計メモを前に足場を探す静かな場面
重い現実があっても、そこから選び直すことはできます。

借金の返済。毎月の生活費。
自宅で整体を少し続けることはできましたが、それだけで生活が成り立つ状況ではありませんでした。

この時の私には、「やりたい仕事を探す」余裕はありませんでした。
安定して、毎月決まった給料が入る。まずはそこを確保しなければ、何も立て直せない。
そう考えるしかなかったのです。

「まず収入を安定させる」を最優先にした

だから私は、転職の軸を「まず収入を安定させること」に絞りました。

副業で一発逆転を狙う余裕も、
じっくり自分探しをする余裕も、その時はありませんでした。

必要だったのは、毎月決まって入ってくる給料。
家計の出血を止めて、借金を返しながら、生活の土台を作り直すこと。

派手に稼ぐことより先に、生活が崩れない地面を作る。当時の私が選んだのは、この順番でした。
この「まず生活の地面を固める」考え方を、アサネコ王国では「まず足場を固める」と呼んでいます。足場ができて初めて、次の選択肢は増やせる。逆ではありませんでした。

会社員として働く。
派手ではないけれど、それが当時の私にとって、いちばん現実的な立て直しの一手でした。

長老チャットラー

かっこいい理由なんて要らなかった。
まず、立ち続けられる場所が要った。

なぜ「水道業界」を選んだのか

水道業界を選んだ理由は、夢でも憧れでもなく、「必要とされ続ける仕事」だったからです。

転職先を探すとき、ハローワークの求人も一通り見ました。ただ、全体に給料が安い。借金の返済と毎月の支払いを抱えていた私には、まずある程度の給料が出ることが外せない条件でした。

正直、理想を言える状況ではありませんでした。
ただ、生活から逆算して選ぶことを、私はもう後ろめたいとは思っていません。

そのうえで考えていたのが、これから先のことです。水は生活に欠かせません。AIがどれだけ発達しても、水が漏れた・詰まったという困りごとは、画面の中だけでは直せない。現場へ行って手で直す仕事は、簡単にはなくならないと思えました。

そして、営業が向いていない自分でも、技術を積み上げれば評価される余地がありました。口のうまさで勝てなくても、直せる力や任せられる力で立てる場所がある。私にとっては「売る仕事」から「直す仕事」への乗り換え――営業から技術職への転職であり、業種ごと変える異業種転職でした。

営業が向いていない人が生活費や働き方から水道業界を選んだ理由を整理した図解
水道業界を選んだ理由は、立派な夢ではなく、生活から逆算した条件でした。

あとで知ったことですが、水道は配管・空調・電気などと同じ設備業界に含まれます。この設備業界は人手が足りない現場が多く、私のように営業から移ってくる人や、未経験から入る人も受け入れてもらいやすい職場が少なくありません。

40代が近づいていた私が営業以外の道を探すなら、これ以上に現実的な入口はありませんでした。

手に職をつけるしかなかった。
それが、私の正直な転職理由です。
ただ、結果としてこの選択は、営業成績以外の評価軸を作る入口になりました。

私が転職先を選んだ基準

振り返ると、私が転職先を選んだとき、無意識に見ていた基準がいくつかありました。

これは「この業界が正解」というリストではありません。
営業が向いていない人が、次の戦場を選ぶときの確認軸として読んでください。

  1. 不況でも消えない仕事か(景気)
    景気が落ちても困りごとがなくならない仕事は、数字のプレッシャーが営業ほど極端に振れません。
  2. やった分が自分に残るか(積み上げ)
    毎年ゼロから数字を作り直すのではなく、経験や技術がそのまま自分に積み上がる仕事か。コツコツ型ほど、ここが効いてきます。
  3. 売る力“以外”で評価されるか(評価軸)
    現場対応、技術、段取り、資格。売る力以外で立てる評価軸があるか。
  4. 年齢で門前払いされにくいか(年齢)
    人手が足りていて、未経験や年齢だけを理由に断られにくい業界か。

実際、ハローワークの求人を見ながら、給料の低いものはこの段階でいくつも見送りました。立派な分析をしたわけではありません。「これでは毎月の支払いが回らない」という、現実的な線引きです。

基準というより、生活が先に教えてくれた条件でした。

転職理由は立派でなくてもよく、生活から逆算して条件を選ぶことを示す図解
転職理由は、立派な言葉でなくてもいい。生活が先に教えてくれる条件があります。

全部を満たす完璧な仕事は、たぶんありません。
でも、この4つで見ると、「営業しか道がない」という思い込みは少しほどけます。

ひとつだけ注意

同じ業界でも、会社によって「営業会社寄り」か「技術会社寄り」かは大きく変わります。私自身、最初に入った水道の会社は、実際には営業色が強い職場でした(この話は2話で書きます)。業界名だけで判断せず、求人内容や評価のされ方まで確認することをおすすめします。

営業が苦手でも、この戦場なら生き残れると思えた

水道の仕事は派手ではありませんが、やることは明確でした。

壊れたものを直す。困っている人を助ける。
使える状態に戻す。

営業トークがなくても、ちゃんと評価される世界がある。
コツコツ積み上げた知識や経験が、少しずつ効いてくる。
短距離走では勝てなくても、長距離なら勝ち筋を作れる。

リクルド(旅する書庫番)

短距離は苦手でもいい。
長距離なら、勝ち筋は作れる。

もちろん、転職した瞬間にすべてが解決したわけではありません。
この先、私はまた「数字の沼」に近づいていきます。
ただ、少なくとも「営業力だけで殴り合う戦場」からは、一歩降りることができました。

水道業界を選んだあとに続く道と、次の失敗談へ静かにつながる場面
選んで終わりではありません。入ったあとに見えた失敗も、次の話で残します。

転職理由は、立派じゃなくていい

転職理由は、面接で語れるような立派なものでなくて構いません。

私の本音は、「営業が向いていなかった」「生活を立て直す必要があった」「手に職をつけたかった」。
それだけです。

ただ、同じ中身でも、伝え方は整えられます。
「営業が嫌で辞めた」ではなく、こう言える状態にしておく。

営業成績だけで勝つより、技術や資格を積み上げて、長く信頼される働き方をしたい。

嘘をつくのではありません。
自分の本音の中にある前向きな部分を、言葉にしておくだけです。

城主アサネコ

理由はあとから立派になる。まず、立ち続けられる場所を選べ。

よくある質問

Q. 営業から転職する理由は、どう伝えればいいですか?

A. 「営業が嫌だから」ではなく「どう働きたいか」に言い換えると伝わりやすくなります。たとえば「技術や資格を積み上げて、長く信頼される働き方をしたい」という形です。嘘を作るのではなく、本音の中にある前向きな部分を言葉にしておくイメージです。

Q. 営業が向いていないという理由で転職するのは、ありですか?

A. 向き不向きは誰にでもあり、それ自体は責められるものではありません。ただし、何も整えないまま辞めると、次の場所でも同じ不安を抱えがちです。生活費・今の会社での異動余地・次に作る武器を確認してから動くのがおすすめです(考え方は0話に整理しています)。

Q. 40代・未経験から設備や水道業界へ転職できますか?

A. 私自身は40代に近づく年齢で水道業界へ移りました。人手不足の現場もあり、年齢や未経験が必ずしも壁になるとは限りません。ただし会社・地域・タイミングで状況は大きく変わるため、求人内容や働き方は個別に確認してください。

Q. 心身がつらくて、もう限界かもしれません。

A. 眠れない、食欲がない、出社前に強い不安が続くといった状態なら、転職を考える前に、まず休む・相談することを優先してください。上司や家族、職場の相談窓口、医療機関、公的な相談先など、頼れる場所へ早めに相談してください。仕事より先に、体と生活を守ることが大事です。

まとめ:転職理由は、立ち続けられる場所を選ぶことでいい

営業が向いていないと感じたことは、失敗でも、逃げでもありませんでした。

それはただ、自分に合わない戦場に立っていただけ。
私は生活を守るために、立ち続けられる土俵を選び直しただけです。

  • 転職理由は、理想や夢じゃなくていい
  • まず収入を安定させて、生活の足場を守る
  • 転職先は「景気・積み上げ・評価軸・年齢」で確認する
  • 業界名だけでなく、会社の土俵(営業色か技術色か)まで見る
  • 本音の中の前向きな部分を、言葉にしておく

ただ、正直に言うと――
営業が向いていないから水道業界を選んだはずなのに、私はまた“数字の沼”に戻っていきます。

なぜ、同じ罠を踏んだのか。
次の2話は、潰れる前に気づくための警報です。「お客様のため」と言いながら心が削れていく構造を、失敗談として書きます。

長老チャットラー

準備はいいか。次は、踏んではいけない罠の話だ。

次は「踏んではいけない数字の罠」へ進みます

焦らなくて大丈夫です。今日いきなり何かを決めなくていい。まずはこの1本から。

2話:営業ノルマがきつかった日々を読む

この下に、資格や勉強の入口も置いておきます。ただ、今日は2話まで進めれば十分です。残りは、また来たときの地図として使ってください。

※本記事は筆者の実体験に基づく内容です。働き方・転職・借金や家計に関する状況は人によって異なり、同じ選択が誰にとっても最適とは限りません。転職判断は求人内容や勤務条件を、生活・お金に関わる判断は公的機関や専門家の情報もあわせてご確認ください。

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