40代で人生を立て直すために、私が選んだ資格ルート

40代の立て直し|5話

40代で人生を立て直すために、私が選んだ資格ルート

資格は強い順に取るものではありませんでした。設備業界の広い知識を、働きながら一つずつ区切って学ぶために、私が選んだ順番を残します。

設備知識を体系化 手当を一段ずつ積む 落ちても戻れる順番
40代の設備職男性が資格証を持ち、設備資格ルートを示すアサネコ王国のアイキャッチ画像
資格は、強い順に取るものじゃない。足場を固める順に積み上げていくものだった。

4話で、資格を取ってから任され方や会話の前提が変わった話を書きました。
給料が急に上がったわけではありません。けれど、作業者ではなく「判断できる人」として相談されるようになりました。

そこで残っていたのが、この問いです。
では、その立ち位置を作るために、どんな資格を、どの順番で取ればよかったのか。
4話の経緯は4話(資格を取って任され方が変わった話)に置いています。

先に結論を言います。
私は、強そうな資格から取ったのではありません。
今の自分が動かせる資格から始めて、資格手当と仕事のベースが積み上がる順に取りました。

そして途中で一度、試験に落ちています。
きれいな一本道ではありませんでした。

この記事では、40代・未経験から設備の世界に入った私が、実際にどの順で資格を取り、なぜその順にしたのかを、手当の実額と失敗もふくめて整理します。
この記事の結論

資格は「強い順」ではなく、足場を固める順に積み上げる

設備業界は範囲が広く、何から勉強すればいいか分かりにくい仕事です。だから資格は、学ぶ範囲を区切る地図になります。私の場合は、実務経験なしで受けられる第二種電気工事士から始め、実務経験が必要な水道系資格を働きながら積み上げ、最後に重い施工管理を押さえました。

資格は、学ぶ範囲を区切る地図になる。

勉強に慣れていない人は、範囲を絞れる資格から始めていい。

強い資格を探すより、扱える武器を順番に増やす。

設備業界は、何から勉強すればいいか分かりにくい

設備業界に入ったばかりの頃、私は何から勉強すればいいのか、よく分かりませんでした。

仕事で必要なことは、現場で覚えていきます。
水漏れ修理、排水詰まり、トイレ交換、給湯器まわり。
目の前の作業に必要なことは、先輩に聞いたり、現場で失敗したりしながら少しずつ覚えられます。

でも、それ以外の範囲が広すぎました。

建築、水道、電気、ガス、防火設備、ダクト、空調、排水、施工管理。
設備の仕事は、つながっている範囲がとても広い。
だから、仕事に必要なことだけを追いかけていると、全体像がなかなか見えてきません。

リクルド(旅する書庫番)

何を勉強すればいいか分からない。
でも、何も勉強しないまま年を重ねるのも怖かった。

そんな人にとって、資格は勉強する範囲を区切ってくれる地図になります。

資格は、設備知識を区切る地図になる
  • 第二種電気工事士:まず電気の基礎を学べる
  • 排水設備工事責任技術者:排水まわりを整理できる
  • 給水装置工事主任技術者:給水と衛生を学び直せる
  • 1級管工事施工管理技士補:建築・水道・電気・ガス・防火設備・ダクトなど、設備全体を広く見直せる

いきなり全部を学ぼうとすると、範囲が広すぎて手が止まります。
でも、資格ごとに区切れば、今はここを勉強すればいいと分かる。
私にとって資格ルートは、知識を体系的に積み上げるための順番でもありました。

勉強に慣れている人と、慣れていない人で順番は変わる

すでに勉強に慣れている人なら、いきなり1級管工事施工管理技士補に挑戦するのも効率的です。範囲は広いですが、建築・水道・電気・ガス・防火設備・ダクトなど、設備全体を一気に見渡せます。

ただ、勉強に慣れていない人は、いきなり広い範囲へ突っ込むと苦しくなりやすい。その場合は、第二種電気工事士から始めて、排水、給水、施工管理へと一つずつクリアしていく方が進めやすいです。範囲を絞って勉強できるので、最初の一歩の難易度を下げられます。

だから、このルートは「最短で強い資格を取るルート」ではありません。
設備業界の広い知識を、働きながら一つずつ体系的に学ぶためのルートです。

なぜ「第二種電気工事士」を最初に選んだのか

最初に第二種電気工事士を選んだ理由は、はっきりしています。

実務経験がなくても、受験できたからです。

設備系の資格を調べると、多くは「実務経験◯年」という壁があります。
排水設備工事責任技術者は2年、給水装置工事主任技術者は3年。
未経験で入ったばかりの私には、まだ手が届かない資格でした。

その中で、第二種電気工事士は受験資格に実務経験がありません。
その気になれば、今すぐ動ける資格でした。

リクルド(旅する書庫番)

強い資格を選ぶ余裕なんてなかった。
動ける場所から、動くしかなかった。

資格を取り続けると決めて、朝4時起きの勉強を始めた最初の一本も、これでした。
難しさで選んだのではなく、「今の自分が動かせる一手」として選んだ。
振り返ると、ここが順番の出発点でした。

第二種電気工事士から給水装置工事主任技術者まで資格手当が段階的に積み上がる順番を示す図解画像
一発逆転じゃない。ベースを一段ずつ上げていく。

順番は「資格手当が積み上がる順」で決めた

私は、強い資格から取ったのではありません。

会社の資格手当が積み上がる順に、取っていきました。

当時、私の会社では資格ごとに手当が決まっていました。

私の会社の資格手当(一例)
資格 月の手当
第二種電気工事士 5,000円
排水設備工事責任技術者 10,000円
給水装置工事主任技術者 20,000円

※手当の有無や金額は会社によって違います。あくまで私の勤務先の一例です。

営業のときのような歩合のラインには、なかなか届きません。
でも、資格手当は歩合に届かなくても、ベースが上がる。
しかも一度上がれば、毎月の見込みに入れやすい。

リクルド(旅する書庫番)

ホームランは打てなくても、
ベースを一段ずつ上げることはできる。

だから私は、「順番に取っていこう」と思いました。
強い資格を一発で狙うのではなく、手当が積み上がる順に、一段ずつベースを上げる
これが、40代の私にとって現実的な積み上げ順でした。

歩合は、いい月と悪い月があります。
営業時代、給料が読めない不安は、家計にそのまま響きました。

月末が近づくと、通帳を見るのが少しこわい。
今月は足りるだろうか。家族に心配をかけずに済むだろうか。
収入が読めないと、不安はいつも家計のほうから先にやってきました。

私の会社では、資格手当は歩合のように月ごとに大きく増減するものではありませんでした。
一度上がれば、毎月の見込みに入れやすい。
「最低、ここは読める」という一段があるだけで、家計の足場はずいぶん固くなりました。
生活の足場を固めるなら、一発の大きさより、毎月見込みに入れやすい一段のほうが効きます。

資格手当が毎月読める一段となり家計の足場を支えることを示す図解画像
最低ここは読める。その一段があるだけで、家計の足場は少し固くなる。

実務経験が必要な資格は「働きながら」仕上げた

実務経験が必要な資格は、焦らなくて大丈夫でした。

働いている間に、時間のほうが要件を満たしてくれたからです。

電気工事士を取ったあとは、現場で経験を積みながら、実務年数が必要な資格に順番に挑戦していきました。

実務経験の目安(必ず地域・制度の要項で確認)
資格 実務要件の目安 ポイント
第二種電気工事士 実務経験なしで受験可 未経験でも今すぐ動ける入口
排水設備工事責任技術者 実務経験2年が目安 現場経験が溜まる「時間」が必要
給水装置工事主任技術者 実務経験3年が目安 水道系の信用を作る看板資格

※受験要件は自治体・制度改定によって変わります。あなたの地域・年度の最新要項で必ず確認してください。

ここで大事なのは、実務経験は、自分では早められないということです。
でも、現場に立ち続けていれば、勝手に積み上がっていきます。
焦って先に進もうとしなくても、いつか受験資格は満たせる。

リクルド(旅する書庫番)

時間が足りないんじゃない。
時間が、味方になってくれる資格もある。

だから実務経験が必要な資格は、「いつか取る前提で、現場の経験を溜めておく」
その間に、実務経験のいらない資格や、勉強で先に進められる資格を片付けておく。
この組み合わせが、遠回りを減らしてくれました。

給水装置で一度落ちた。やり方を変えて取り直した話

順番に積み上げた話には、続きがあります。
2022年、給水装置工事主任技術者の試験に、一度落ちました。
きれいな一本道ではなかった、ということです。

給水装置工事主任技術者の試験に一度落ちたあと過去問7回転で学習法を見直す設備職男性の画像
落ちた日のことは、今でも覚えている。

全体としては悪くなかったのに、公衆衛生学で足切りにあいました。
ひとつの分野で基準点に届かず、それで不合格。

40代で、資格に落ちる。
正直、こたえました。家族が寝ている朝の時間を削って勉強してきたのに、と。

あのとき頭をよぎったのは、たぶん多くの人と同じです。
あれだけ削った時間は、無駄だったんじゃないか。
40代から始めたのが、そもそも遅すぎたんじゃないか。

でも、ここで「向いていない」とは思いませんでした。
削った時間が無駄になったのではなく、その時間の使い方が合っていなかっただけ
落ちた理由は、能力ではなくやり方だと考えたからです。

リクルド(旅する書庫番)

落ちたのは、頭が悪いからじゃない。
勉強のやり方が、合ってなかっただけだ。

そこで学習法を見直しました。
それまでのやり方をやめて、過去問8年分を、7回くりかえす方式に変えた。
一度で完璧に理解しようとせず、まず問題と顔見知りになる。何度も回して、体に通す。

この「7回転」のやり方に変えてから、足切りされていた分野も、少しずつ景色が変わりました。
そして2024年、給水装置工事主任技術者に合格しました。

落ちても、戻ってこられた

資格に落ちると、自分そのものを否定された気持ちになります。
でも、落ちたのは「やり方」かもしれない。
やり方を変えれば、戻ってこられることもある。
私にとっては、それが7回転の学習法でした。

1級管工事施工管理技士補で「仕上げた」理由

最後に取ったのが、1級管工事施工管理技士補でした。

勉強量が重い資格こそ、早めに通しておく価値があると考えたからです。

施工管理の資格は、範囲が広く、勉強量も重い。
実務経験は働きながら積み上がる一方で、試験勉強は、後回しにするほど苦しくなります
歳を重ねるほど、まとまった勉強時間は取りにくくなる。

だから私は、「先に通せるところは、先に通しておく」と考えました。
技士補として1次を早めに合格しておけば、将来の選択肢を残せる。
時間を、味方につけておく発想です。

スミス親方

重い荷物ほど、若いうちに背負っておくものじゃ。
あとからでは、肩がもたんからのう。

この「技士補で仕上げる」までが、私が積み上げてきた順番です。
電気で入口を作り、手当が積み上がる順で水道系を取り、最後に重い施工管理を技士補で押さえる。
振り返ると、一本の順路になっていました。

よくある質問

Q. 第二種電気工事士は、実務経験がなくても受験できますか?

A. はい。第二種電気工事士は、受験に実務経験を必要としません。私自身、未経験で設備の世界に入った直後、最初に取った資格がこれでした。「今すぐ動ける一手」として選びやすい入口です。なお試験日程や申込方法は年度で変わるため、最新情報は公式サイトで確認してください。

Q. 給水装置工事主任技術者は、実務経験なしで取れますか?

A. 給水装置工事主任技術者は、受験に実務経験が必要とされる資格です。私の場合は、現場で経験を積みながら、要件を満たせる時期に挑戦しました。実務経験の年数や要件は制度改定で変わる可能性があるため、必ず最新要項を確認してください。

Q. 電気と水道、どちらの資格を先に取るべきですか?

A. 正解は一つではありません。私の場合は、実務経験なしで受けられる電気工事士を先に取り、実務経験が必要な水道系は働きながら順に取りました。「今の仕事とつながっているか」「今の自分が動かせるか」で順番を決めるのが、遠回りを減らす考え方だと感じています。

Q. 勉強に慣れている人は、いきなり1級管工事施工管理技士補でもいいですか?

A. 勉強に慣れていて、広い範囲をまとめて整理できる人なら、いきなり1級管工事施工管理技士補に挑戦するのも効率的です。ただし範囲は建築・水道・電気・ガス・防火設備・ダクトなど広いため、勉強に慣れていない人は、第二種電気工事士のように範囲を絞れる資格から始める方が進めやすいと感じています。

まとめ:資格は強さじゃなく、足場を固める順番だった

私が積み上げてきた資格を、順番に並べるとこうなります。

私の資格の記録
取得年 資格 記録
2020 第二種電気工事士 実務経験なしで受験。朝4時起きの勉強を始めた最初の一本。
2021 排水設備工事責任技術者 仕事と家庭の間で、朝の学習習慣を継続。
2022 ガス機器設置スペシャリスト 現場寄りの仕事に必要な知識を積み上げる。
2022→2024 給水装置工事主任技術者 公衆衛生学で足切り、一度不合格。過去問7回転に学習法を変え、2024年に合格。
2025 1級管工事施工管理技士補 7回転を土台に、仕事と家庭を両立しながら挑戦。

こうして並べると、きれいな一本道に見えるかもしれません。
でも実際は、落ちたり、学習法を見直したり、立ち止まったりの繰り返しでした。

それでも、資格は「強い順」に取るものではなかったと言えます。
今の自分が動かせる一手から始めて、ベースが積み上がる順に取る。
実務経験は、働きながら時間に任せる。落ちたら、やり方を変える。

そしてもう一つ、資格は設備業界の広い知識を区切って学ぶための地図にもなりました。
何から勉強すればいいか分からなかった私にとって、「今はこの範囲を学べばいい」と示してくれるものでもあったのです。

長老チャットラー

強い武器を一本だけ探すより、
扱える武器を、順番に増やすほうが遠くまで行ける。

資格は、人生を一発で変える魔法ではありません。
でも、足場を一段ずつ固めて、選択肢を増やしていく順番にはなる。
それが、40代から積み上げてきて感じたことです。

焦らなくて大丈夫です。
資格は、一本あれば景色が変わります。順番は、あとからでも組み直せます。
まずは「今の自分が動かせる一手」から選べば十分です。

資格の全体像を見て、次の一手を決める

今日いきなり次の資格を決めなくて大丈夫です。まずは、今の自分が動かせる一手を確認しましょう。

資格の全体像を見る(武器屋)

この下に、勉強の続け方の入口も置いておきます。ただ、今日は資格の全体像を見られれば十分です。残りは、また来たときの地図として使ってください。

※本記事は筆者の実体験に基づく内容です。資格の受験要件、実務経験、手当、登録条件は地域・勤務先・制度改定によって変わります。受験前には必ず公式サイトや自治体の最新要項を確認してください。

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