【第8章】自動化が最強の節約── 口座マトリクスと「お金が勝手に貯まる仕組み」

アサネコ家の資金フローを自動化する口座マトリクスの図

【第8章】自動化が最強の節約
── 口座マトリクスと「お金が勝手に貯まる仕組み」

第1章〜第7章で、あさねこ家のQGSの考え方から、特別費・生活防衛資金・NISA/iDeCoまで、家計の土台を一通り整えてきました。
ここまでくると、次に気になるのはこうだと思います。

  • 「じゃあ、実際に毎月のお金はどう動いているの?」
  • 「どの口座に、どれくらい残っていれば安心なの?」
  • 「自動化って、どこまでやればいいの?」

第8章では、あさねこ家の口座マトリクスと資金フローをベースに、
「お金が勝手に貯まっていく仕組み」の作り方をまとめていきます。


目次

① なぜ「自動化」が最強の節約なのか

まず最初にお伝えしたいのは、節約は「気合いと根性」で続けるものではないということです。

  • 毎月、家計簿とにらめっこして「今月はどこを削ろう…」と悩む
  • 気合いで外食やコンビニを我慢し続ける
  • ボーナスが出たら「なんとなく」貯金に回す

こうしたやり方は、短期的にはうまくいくかもしれませんが、長く続けるのはほぼ不可能です。
忙しい月が1〜2回続くだけで、すぐに元通りになってしまいます。

一方で、あさねこ家が目指しているのは、

  • 「節約しよう」と意識しなくても、お金が残っていく仕組み
  • 給与日=自動的に資産が増える日になっている状態
  • 多少気が緩んでも、レールから外れにくい家計

これを実現するための土台が、今回のテーマである口座マトリクス(口座の役割分担)と、お金の自動フローです。

リクルド(旅する書庫番)

がんばって締める節約は、一時的な「ダイエット」みたいなものだよね。仕組み化できると、いつの間にか体質から変わっていく感じ。

ミケ(仕組み職人)

そうですニャ。節約のゴールは「意志の力に頼らなくていい状態」。そのために口座の設計図を整えるのが、この章の目的ですニャ。


② 口座マトリクスで「お金の住所」を決める

仕組み化の第一歩は、お金に「住所」を与えることです。
あさねこ家では、口座を次のようにざっくり分けています。

  • 給与受取用:三菱UFJ銀行
  • メイン口座(ハブ):auじぶん銀行(シルバーステージ)
  • 固定費用:地方銀行
  • 貯蓄・投信用:楽天銀行/楽天証券
  • 特別費用:妻名義のauじぶん銀行

細かいルールはあとで表にまとめますが、まずは 「どのお金が、どの口座の担当なのか」を決めることが大事です。

これが決まっていないと、

  • なんとなく1つの口座に全部のお金を入れてしまう
  • 「今月はいくらまで使っていいのか」が分からない
  • 気づいたら生活費と投資資金がごちゃ混ぜになる

といった状態になりやすくなります。

逆に、口座ごとの役割がハッキリしてくると、

  • 「ここにいくら残っていればOK」という基準が決まる
  • 異常値(使いすぎ・貯めすぎ)にすぐ気づける
  • Zaimでの見える化も一気にラクになる

など、家計全体の解像度が一段上がります。


③ アサネコ家のお金の流れ図(口座マトリクス)

ここからは、あさねこ家の実際の口座構成と資金フローを公開していきます。
まずは全体像が分かるように、口座マトリクスを図にしたものを載せておきます。

アサネコ家の資金フローマップ。給与受取口座からメイン口座を経由して固定費・変動費・自己投資・貯蓄投資・特別費へお金が流れる様子
図1:アサネコ家の資金フローマップ。給与受取口座から各口座へお金が流れる全体像。

巻物の図だと雰囲気は伝わりやすい一方で、細かい役割までは分かりにくい部分もあると思います。
そこで、口座ごとの役割と具体的な使い方を一覧にまとめました。

口座の役割 銀行名・口座名 主な用途・ポイント
給与受取口座 三菱UFJ銀行 会社からの給料が入る口座。
給与日後にauじぶん銀行へ手数料無料で振替して、メイン口座に集約。
メイン口座 auじぶん銀行(シルバーステージ) あさねこ家のお金のハブとなる口座。
・各口座への振込が月5回まで無料
・変動費・自己投資の支払いの中心
・ここから固定費口座・貯蓄投資口座・特別費口座へ資金を振り分ける
固定費口座 地方銀行 住宅ローン・電気代など、毎月ほぼ同じ額が出ていく固定費専用口座
auじぶん銀行から振込(手数料無料)で資金を移し、そこから各種引き落とし。
変動費&自己投資 auじぶん銀行(メイン口座) 日々の食費・日用品などの変動費と、本や教材・資格・健康・通信などの自己投資をここでまとめて管理。
実際の分類はZaim上のカテゴリーで仕分けしており、口座はあえて一本化。
貯蓄投資口座 楽天銀行 & 楽天証券 将来のための長期積立の中心となる口座。
・NISA:25,200円/月(カード自動引き落とし)
・iDeCo:20,000円/月(自動引き落とし)
・日本債券アセット:2,800円/月を楽天銀行に手動入金(投資資金の約10%を安定枠に)
特別費口座 妻名義の auじぶん銀行 旅行・帰省・家電の買い替え・冠婚葬祭など、年単位で発生するイベント費を貯めておく口座。
他行からの定額自動入金サービスを使い、夫婦で毎月3.5万円を自動で積み立て。
リクルド(旅する書庫番)

口座をいっぱい作ることが目的じゃなくて、「この口座は何のため?」が一言で言えることが大事なんだね。

ミケ(仕組み職人)

そうですニャ。メイン口座=ハブ、そこから固定費・変動費・自己投資・貯蓄投資・特別費に流すイメージができれば合格ですニャ。

口座ごとの役割をここまで分けておくと、「どこにいくら残っていれば安心か」が一目で分かります。
次のセクションでは、この口座マトリクスに沿って毎月どの順番でお金を動かしているかも整理していきます。


④ 給与日からの「お金の動き」を一気に整理する

口座の役割が決まったら、次は「毎月どの順番でお金を動かしているか」を決めていきます。
あさねこ家の場合、おおまかな流れは次の通りです。

流れ 口座 詳細
給与 → 三菱UFJ銀行 給与受取口座。毎月の給料が入る。
↓ 手数料無料 auじぶん銀行(メイン口座) シルバーステージで他行振込 月5回無料。生活費・自己投資の決済の中心。
↓ 固定費 固定費口座(地方銀行) 住宅ローン・電気代など、毎月ほぼ一定の支出用。メイン口座から振込(手数料無料)。
↓ 変動費・自己投資 メイン口座(auじぶん銀行) 食費・日用品・ガソリンなどの変動費と、書籍・教材・通信費などの自己投資をまとめて管理。Zaimでカテゴリー分け。
↓ 貯蓄・投資 楽天銀行・楽天証券 NISA(25,200円/月)とiDeCo(20,000円/月)は自動引き落とし。日本債券分2,800円のみ手動で入金。
↙ 特別費 妻名義の auじぶん銀行 定額自動入金サービスで夫婦で毎月3.5万円を積み立て。旅行・冠婚葬祭・家電更新などの年単位の出費に備える。

ポイントは、すべての流れが「メイン口座」を起点にしていることです。
給与が三菱UFJに入り、じぶん銀行に移り、そこから各口座へ手数料無料で分配されていきます。

リクルド(旅する書庫番)

「いろんな口座にバラバラにお金が入っている」よりも、一度メイン口座に集めてから流す方が、全体が見えやすいんだね。

ミケ(仕組み職人)

そうですニャ。メイン口座=王様の部屋だと思ってくださいニャ。ここを見れば、その月のお金の流れが全部分かるのが理想ですニャ。


⑤ 今日からできる「自動化の3ステップ」

難しい設定は必要ありません。
次の3つを、給与日前後にサクッとやるだけでOKです👇

  1. 口座の役割を決める
    (給与受取/メイン/固定費/貯蓄投資/特別費)
  2. 振込・自動引き落としのルールを決める
    (どの口座から、どのタイミングで、いくら動かすか)
  3. Zaimや家計簿アプリで毎日1回だけチェックする
    「ちゃんと意図した通りに流れているか?」を確認する時間を作る

あさねこ家では、Zaimの連携更新ボタンをほぼ毎日1回押して、履歴をパッと眺めるようにしています。
ためてしまうと「これ何に使ったんだっけ…?」となりやすいので、短時間でも“こまめに見る”ほうが結局ラクです。

リクルド(旅する書庫番)

Zaimは、ちゃんと使おうとするほどツラくなるんじゃなくて、毎日の小さい振り返りで威力が出てくる感じだよね。

ミケ(仕組み職人)

そうですニャ。「今日は何にお金を使った?」を数十秒だけ振り返る習慣が、家計の解像度を一気に上げてくれますニャ。


⑥ 自動化は「完璧」じゃなくていい

ここまで読んでみて、
「ちょっと細かすぎるかも…」「ここまで作り込める気がしない…」と感じた方もいるかもしれません。

でも実は、あさねこ家の仕組みも100%自動化されているわけではありません。
固定費口座への振込や、日本債券アセットへの入金など、ところどころに「あえて手動にしているポイント」もあります。

大事なのは、

  • 毎月必ず守るべきお金(固定費・特別費・防衛資金・投資)が先に確保されていること
  • 生活費と自己投資は、メイン口座ひとつでシンプルに管理できていること
  • 手数料という「見えないムダ」が出ていないこと

この3つさえ押さえられていれば、自動化は「7割できていれば十分」だと考えています。

リクルド(旅する書庫番)

仕組みを作るのにこだわりすぎて動けなくなるより、7割の自動化でもう回し始めた方が早いよね。

ミケ(仕組み職人)

そうですニャ。「完璧じゃなくても、毎月ちゃんと回っている」。そこにたどり着ければ家計としては合格点ですニャ。

次の第9章では、この仕組みをベースに、月に一度・年に一度の「家計レビュー」のやり方」をまとめていきます。
自動化したお金の流れを、ときどき振り返りながら微調整していくステージです。


🔥 お金の焚き火トーク


🏰 あなたはいま:第8章「自動化が最強の節約 ─ 口座マトリクスと『お金が勝手に貯まる仕組み』」を読んでいます。


📚 「王様の間(家計・資産)」QGSシリーズ

  1. 第1章:QGSの全体像 ─ 手取りを4分割する家計地図
  2. 第2章:固定費を整えると、人生は一気に軽くなる
  3. 第3章:変動費・自己投資の伸びしろを見極める
  4. 第4章:自己投資の正体 ─ 今と未来を整える“お金と時間”
  5. 第5章:年間50万円の特別費と生活防衛資金150万円の設計
  6. 第6章:Zaimで家計を“見える化”する
  7. 第7章:NISAとiDeCoで「未来の支出」を準備する
  8. 第8章:自動化が最強の節約 ─ 口座マトリクスと「お金が勝手に貯まる仕組み」
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次